新しい糖尿病薬:SGLT2阻害薬

2016年7月25日

新しい糖尿病薬:SGLT2阻害薬

糖尿病は血糖値(血液中に含まれる糖濃度)が高くなってしまう病気として知られています。血糖コントロールの悪い状態で放置すると、腎不全や網膜症や脳梗塞などの合併症を引き起こします。そのため、食事療法や運動療法や薬物療法が大事です。昨年度より各社で発売されているSGLT-2(Sodium-Glucose Co-Transporter 2:ナトリウム依存性グルコース輸送担体)阻害薬は、既存薬とは異なる新しい作用機序を持つの経口糖尿病です。

腎臓は尿を作る器官であり、最初に作られる原尿にはたくさんの糖やアミノ酸が含まれています。しかし、糖やアミノ酸は私たちの体にとって必要不可欠な栄養素であるため、そのまま尿として対外へと排泄されるのは不都合です。そこで、原尿が尿管を通って膀胱まで移動する間に糖やアミノ酸は血液中へと吸収されます。これを再吸収と呼びます。再吸収が起こるため、正常な方では尿から糖が検出されることはありません。しかし、糖尿病患者では血液中に多量の糖が含まれているため、原尿の中にもたくさんの糖が含まれるようになります。その結果、糖の再吸収が追い付かなくなり、尿から糖が検出されてしまいます。これが、糖尿病という名前が付けられている理由です。
さて、腎臓の尿管について話は移ります。尿管はいくつかの部位に分けることができますが、この中でも近位尿細管が特に糖の吸収に関わっています。近位尿細管にはSGLT2と呼ばれる「糖の輸送に関わる担体」が存在します。近位尿細管に存在するSGLT2が糖の再吸収の約90%を担っていると言われています。SGLTとは、細胞表面に存在する膜タンパク質で、ブドウ糖の細胞内への輸送をつかさどっているのは、主にSGLT-2です。SGLT2を阻害すれば、近位尿細管で行われている糖の再吸収を抑制できることがわかります。尿から排泄される糖分が多くなるため、その分だけ血糖値を下げることができます。

SGLT2阻害剤 インスリン非依存

血糖低下作用以外の他の効果としては、体重の減少です。カロリー源である糖が排泄されることやSGLT2阻害薬により糖新生が活性化することもわかっており、糖新生の基質として脂肪組織から脂肪酸が動員されることが、体重減少につながると考えられています。糖尿病には、肥満の方が多いので、減量するだけでも、血糖コントロールは良好になります。また、肥満糖尿病患者にとって、痩せることは、糖尿病治療の上での強いはげみとなります。

反面、脱水症などで、数人の人が死亡しており、糖尿病学会では脱水防止について患者への説明も含めて十分に対策を講じること。利尿薬との併用は推奨されないと勧告がありました。
欧米では、このSGLT-2阻害剤がビグアナイド剤と同じぐらい評価されていて、糖尿病薬の第一選択や第二選択になろうとしています。 詳しい機序はこの位にして、何でこの薬が良いのでしょうか。少し、難しい話になりますが、血糖を下げる機序がインスリンに依存していない点が良いのです。糖尿病患者は自分の膵臓から出るインスリンが少なかったり、効きが悪かったりするのですが、糖尿病患者はインスリンの分泌の反応が正常者より遅く、分泌されます。そのため、血糖は上昇してしまいます。さらに遅れて多くのインスリンが分泌されると血糖が過剰に低下し、時に低血糖を起こします。低血糖は、眼の網膜や心臓にとって、良くない影響を与えます。また、軽度の血糖低下ですと、問題ないように思われますが、空腹感を起こします。甘いもの好きの多い糖尿病患者はお菓子をたらふく食べてしまいます。例えば、お腹がとても減っていると、クッキーやチョコレートを1袋食べてしまうような経験が皆様にもあるでしょう。こういう衝動的な食欲を抑える事は、難しいことなのです。
結論として、SGLT-2阻害剤は糖を強制的に尿から排泄して、インスリンに依存していません。また、血糖が80〜140くらいで安定させれば、食後の高血糖を防ぐとともに低血糖も起こさずに空腹感を感じません。さらに、体重を減少させる効果があります。私は糖尿病患者にSGLT-2阻害剤を積極的に使用して行くべきと考えています。


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Posted by 武蔵小杉の内科|武蔵小杉駅1分の内科なら小杉中央クリニック at 07:53 / 気ままなブログ

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